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『ジョーカー』公開直前 ホアキン・フェニックスに慣れとけ【映画】『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』

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Buffalo Soldiers [Italian Edition]

 ジョーカー公開前に復習したホアキン・フェニックス主演映画

 今日は映画『ジョーカー』公開前で、ホアキン・フェニックスの主演映画が観たくなって、2001年に公開された映画『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』(原題:『Buffalo Soldiers』)を復習してみました。

 ホアキン・フェニックスとは

 ホアキン・フェニックスはいわゆるブラピやディカプリオのようなマネーメイキングスターではないので、日本では馴染みが薄いとは思います。有名どころではラッセル・クロウ主演の『グラディエーター』(2000)で、いかにも悪役なローマ皇帝を演じてましたけど、、、。あまりこの人が演じているから注目して観たりする人が少ないのが現状ではなのでは。また実際作品としての知名度の高い『グラディエーター』を観ていても、ほとんどの人が覚えていないと思います。

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 だからといって、よくいる雑魚キャラの悪役だけど名前の知らないよく映画に出てくる人といった役者ではありません。そういった悪役の中でも癖のある役をわざわざ選んでいるような印象が強いです。先ほど挙げた『グラディエーター』で演じたコモドゥスは数ある皇帝の中でも指折りの屈折した変態皇帝ですし、またニコラス・ケイジ主演の『8mm』ではSMマニアの役など、様々な出演作で癖のある役を演じている、「そうです、私が変態役者です」なのです。

 また、他にもいわゆるイッちゃってる役が多いので紹介したいのですが、そればかりで埋め尽くされそうなので、ここまでにします。なんで、そんなにホアキン・フェニックスの映画観てるのと言われても、数々のホアキンが演じた役のように変態の要素があるのではと、そう勘ぐられてしまうと答えに窮するので、このぐらいで勘弁してください。

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 『バッファロー・ソルジャー 戦争のはじめかた』について

 話はやや脱線しましたけど、本題に戻りましょう。この映画『バッファロー・ソルジャーズ』についてですが、この映画は監督脚本がオーストラリア人のグレゴール・ジョーダンです。調べたらこの監督は『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャー主演で2本映画を撮ってたのは意外でした。同じオーストラリア人だからと言うのもあるんでしょうが、当時は監督自身も若手で、同じように才能のある若手の役者を抜擢できる監督みたいです。

 だけど、この映画『バッファロー・ソルジャーズ』のせいで首をしめる結果になったのか。この映画以降脚本を書かせてもらってないようですし、撮ってる映画の本数が異様に少ないです。それはこの映画の公開が、ちょうど2001年の9.11の同時多発テロと重なったせいで、何度も公開が延期されたことと無関係ではないでしょうし、その内容がアメリカ軍の腐敗を描いた映画だったからでしょう。それを観られると都合が悪いので、、、。

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 またお判りのように9.11以降アメリカ軍の礼賛映画があっても、批判的な映画がめっきりなくなったことと因果関係が強いのでは。あれ以降、映画はアメリカ批判映画はめっきりなくなって、アベンジャーズやスターウォーズを含めて戦争映画一色ですもんね。

 そして、この監督は9.11前に撮ったのにこの映画のせいで干されたのでしょう。公開延期とアメリカ軍からの規制もあったせいで、制作費も回収できないぐらい興行収入も惨敗だったから、なお失敗作の烙印を押されてしまったのでは。ちなみにこの映画は、アメリカ映画ではなくてイギリス・ドイツの合作映画です。それでも圧力をかけるとはアメリカって本当に怖いです。

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 映画の内容

 そして、この映画『バッファロー・ソルジャーズ』についてですが、ベルリンの壁崩壊直前の1989年の冷戦下の西ドイツ・シュトゥットガルトの米軍基地が舞台です。公開当時は邦題が“戦争のはじめかた”になっていましたけど、戦争シーンは一切ありません。戦争のない暇な基地の中で、基地内でヘロインを精製して物資横流しして、メルセデスベンツを乗り回している闇商売やりたい放題の補給部隊の軍人が主人公の映画です。バッファロー・ソルジャー自体の名前がアメリカで伝説的な補給部隊なので、このタイトルはひどい皮肉で笑ってしまいますが、、、。

 そんなやりたい放題の主人公に基地内で内偵が始まり、今までしていたヘロインの精製や物資の横流しなどができなくなっていき、新しい上官と争っていきます。子供の頃に初めて観たときは、ヘロインの精製の方法ややりたい放題の主人公が小悪党なのになんだか憎めなくて面白いと感じまして、つまり悪い奴ほどよく眠る的な感じが好きだったんですが。その時も映画の内容は覚えていてもホアキン・フェニックスが主演だと気がついたのはDVDで買った時だから7、8年前ですか、それでもう一回観たんですよね。その時でも、古いなとは感じずにやっぱりやりたい放題感がいいなと。

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 映画にある素晴らしい要素

 それで、今回また真剣に観た時にまた気づきました。なんか音楽がカッコイイぞと、この音楽で基地内の単純なトラックシーンにスタイリッシュさとリズムが出てるぞと、チェックして見たらDavid Holmesがサウンドトラック作ってました。何枚もアルバム持ってるのに気がつかなかったとは。

 このイギリス人のサントラはどんなに映画がくだらなくてもいつも最高です。映画の内容はともかくオーシャンズ11のサントラが一番有名かもしれないです。この人の音楽が加わると映画のB級感が途端に薄れるから不思議です。

 つまり、リアルな基地の退屈な日常をしっかり撮ることで生まれる退屈が観客に伝染する危険性をこの音楽の効果でしっかり無くしているわけです。

 また、その時流行っていたパブリックエネミーやニューオーダーの曲でもディスコシーンをうまく盛り上げます。ただリアルに退屈な画を撮るだけだったら、リアルに退屈に感じて寝ちゃいますから(悪い例が3時間近く音楽台詞なしの退屈で同じ日常を見せ続けられる地獄映画『ニーチェの馬』です)。

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 脚本も映像も素晴らしい

 話がまた逸れましたが、そういった映画とは違って、この映画『バッファロー・ソルジャーズ』はストーリーも起承転結がはっきりしているので、わかりやすいです。つまり、まず主人公の人物紹介、次に闇商売の規模の拡大、その直後に厳しい上官と査察が入り生活が変わる、最後にその争いから終末へと向かう単純な内容です。

 しかしながら、単純な内容でひねりがないのでつまらないかと言えばそうではありません。まずよく考えて欲しいのが基地の話の映画がこの映画以外全くないです。そして、その基地でヘロインを作って物資だけでなく武器までも横流しする設定が初めから実はひねってあるからです。導入がリアルでうまいので、自然に受け入れてしまいますが初めて作られた基地映画なのにかなりぶっ飛んだ内容です。

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 そして、普通の軍隊映画ならともかく、今まで存在していない基地映画なので当然ですが知っているからこそ生まれる予定調和が全くない。それを無理やり理解させるような説明的な部分もないのにもかかわらず、かなり巧みに誰でも理解できる作りになっています。

 またよく考えたら、映像も自然に入り込めるように作られているのでかなり巧みです。誰なのかとチェックしたらかなりの売れっ子撮影監督でした。オリヴァー・ステイプルトンです。ミュージックビデオ出身の撮影監督ですが、映像に変に凝った演出がなく、おそらく監督の意図通りにしっかり仕事をしてくれるのでしょう。常にそのまま普通に撮っている感じです。だから、引っ張りだこでコメディからシリアスまでなんでもござれです。

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 しっかりとした脇役俳優陣

 もちろん役者陣も演技派の脇役たちでしっかり固めてあるので不自然さが皆無です。よくどこの国でもある私俺演技頑張ってます感や渋く観られたいです感や何とかこの映画で目立ちたいみたい感の強い俳優がどこを探してもいないです。主演のホアキン・フェニックスはもちろんのこと、エド・ハリス、スコット・グレン、マイケル・ペーニャ、アンナ・パキンなどみんなこの映画の役になりきってます。

 だから、主人公含めて突出して誰も目立っていないのでこの俳優は誰なんて形で覚えていなかったのかもしれません。しかしそれでも、この映画のことを観たことがなくてもみんな何らかの映画には出ているので、顔を見たら見たことあるとわかるはずです。

 また、アンナ・パキンがカナダ人なのを除けば、ほぼオールアメリカ人キャストなのはなのが徹底してアメリカ映画っぽいです。なのに、先ほどからあげた製作陣は全員非アメリカ人のイギリス人で、監督はオーストラリアでイギリス・ドイツ映画だという皮肉はスゴイです。

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 最後に感想とまとめ

 まとめると、この映画は難しく考えたり高尚なメッセージや人間性を訴える映画ではないので、ニヤニヤしながらスカッと変にするタイトル通りの皮肉の効いた映画です。『ファイト・クラブ』のように公開当初は失敗作の烙印を押されても、後から人気が出た作品のようになってもおかしくないはずです。

 でも何故観たことがある人が極端にいないのでしょうか。あっ、わかりました。やっぱり主演のブラッド・ピットがスターでカッコ良いからです。スターがいるかいないかそれしかないです。あと、アメリカ軍と政府の妨害が露骨だったからですかね。

 それでも、これから公開される『ジョーカー』はもちろんのこと、近年しっかりホアキン・フェニックスは評価されているので、若手の頃の主演作の一つで当たり役のひとつの映画『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』は観る価値はあります。有名ではないですが、かなりオススメです。

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