てんぴかソングブック

ポップカルチャーのレビュー中心です。やっと50記事超えたので、次は100記事まで。

映画

『家族を想うとき』現代社会の基本構造 搾取する側とされる側の問題とフランチャイズ制の問題しかない悲しい映画

【はじめに】 今朝はジャック&ベティでケン・ローチ監督の映画『家族を想うとき』を観てきました。特段観たいと思っていたわけではなかったのですが、うまい具合に時と場所が合致して観に行くことに、、、。 平日の朝の映画館なので人はまばらで、年金生活…

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』最新作の感想 B級感満載 やっぱりただ逃げるだけで中高年が標的映画

『ターミネーター:ニュー・フェイト』とは 今日から『ターミネーター:ニュー・フェイト』が封切りだということで、急遽夕方から観に行くことにしました。本作ではジェームズ・キャメロンが脚本を含めて制作に関わっているということで『ターミネーター2』…

隠れた名作映画『メルビンとハワード』お人好しが常に振り回される空回り人生 ジョナサン・デミ監督

『メルビンとハワード』(原題:『Melvin and Howard』)とは 『メルビンとハワード』(1980年公開)はポール・トーマス・アンダーソンが影響を受けたと常々公言していて、『羊たちの沈黙』で有名なジョナサン・デミが監督した映画です。この話は一般人のメルヴ…

ハンフリー・ボガードの隠れた名作映画『黄金』ポール・トーマス・アンダーソン好きは観るべし

映画『黄金』とは 『黄金』(原題:Treasure Of Sierra Madre)は1948年に公開されたアメリカ映画で、監督はジョン・ヒューストン、主演はハンフリー・ボガードの映画です。ちなみに、この作品は1948年のアカデミー監督賞、脚色賞、助演男優賞(監督の父親のウ…

偽善と欲望を描きながら人間の業とは何かと訴えてくる隠れた名作映画『エルマー・ガントリー/魅せられた男』ポール・トーマス・アンダーソン好きは観るべし

『エルマー・ガントリー/魅せられた男』とは 『エルマー・ガントリー/魅せられた男』は1960年に公開されたアメリカ映画で、主演がバート・ランカスター(『地上より永遠で』『許されざる者』『山猫』が有名)、ジーン・シモンズ(『ハムレット』)、助演がシャ…

SF宇宙映画の隠れた名作 コメディ作品『アストロノーツ・ファーマー』

『アストロノーツ・ファーマー』を思い出したきっかけ 先日『アド・アストラ』を観た際のポスターがなんか見たことあるな〜と思っていたのですが、自分のDVDの棚を見た際にこれかと納得してしまいました。それが2007年に公開された映画『アストロノーツ・フ…

痛烈な社会批判の傑作 ついに公開【映画】『ジョーカー』完璧な悲劇であり、完璧な喜劇だった ホアキン・フェニックス主演を観た感想

『ジョーカー』ついに公開 今日は公開が決まってから楽しみにしていた映画『ジョーカー』をロードショーで早速観てきました。この映画の主演は現代最高の役者の一人であるホアキン・フェニックスで、監督脚本はハングオーバーシリーズの監督トッド・フィリッ…

『ジョーカー』を見る前に観るべき代表作 【映画】『ザ・マスター』ポール・トーマス・アンダーソン監督脚本、主演ホアキン・フェニックス/フィリップ・シーモア・ホフマン

2012年に発表されたポール・トーマス・アンダーソン監督脚本の作品が『ザ・マスター』です。(監督は三大映画祭全てで監督賞を獲得していて、本作はそのうちの一つ) 主演はホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマンの二人になっています。また…

米軍の腐敗を正面から描いた隠れた名作戦争映画 ホアキン・フェニックスに慣れとけ【映画】『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』

ジョーカー公開前に復習したホアキン・フェニックス主演映画 今日は映画『ジョーカー』公開前で、ホアキン・フェニックスの主演映画が観たくなって、2001年に公開された映画『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』(原題:『Buffalo Soldiers』)を復…

脳が疲れた人にオススメの似た者同士の対話劇 二人のデヴィッド 【映画】『人生はローリングストーン』

『人生はローリングストーン』(原題:The End of the Tour)は2015年に公開されたアメリカ映画です。 監督はジェームズ・ポンソルト(『いま、輝くときに』(2013)を観たことがあるくらいです)、主演は作家のデヴィド・フォスター・ウォレス役にジェイソン・シ…

早速観ました!つまらないのか!?ひどい借り物だらけの新世紀駄作映画の誕生 『アド・アストラ』の感想

『アド・アストラ』の意味って? 本日から封切りの映画『アド・アストラ』を近くのシネコンへ早速観に行ってきました。タイトルの意味はわかっていませんでしたが、映画館でトレイラーを観た時に面白そうなので、鑑賞しに行きました。 映画は原題『Ad Astra…

うめられない空白と沈黙の映画『Somewhere』ソフィア・コッポラ監督作品

『Somewhere』は2010年にソフィア・コッポラ監督脚本で公開された映画だ。そして、この作品はヴェネチア国際映画祭の最高賞にあたる金獅子賞を獲得している。 知っている人には彼女が『地獄の黙示録』や『ゴッドファーザー』で有名な監督フランシス・フォー…

村上春樹のよく言う「何か」はあったのか ?映画『風の歌を聴け』(1981)を観て観ました

毎年毎年、なぜかノーベル賞ノーベル賞とメディアとハルキストと呼ばれる人たちと共に名前が連呼される作家、村上春樹氏のデビュー小説の実写映画『風の歌を聴け』(1981年公開)を観て観ました。 映画の主人公の「僕」は役者の小林薫、親友の「鼠」役はポップ…

秋に観るのがぴったりな焼き芋映画『インクレディブル・ハルク』(2008)

公開当時に観てまあまあ面白かったなあと印象は残っていたが、内容について全く覚えていなかった映画『インクレディブル・ハルク』(2008)をあらためて観た感想を書いてみたいと思います。 映画は『トランスポーター』1、2を監督したフランス人監督のルイ・…

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』タランティーノ最新作 中年の危機に絡み合う複数のあらすじの感想

金曜の夜に暇だったので、クエンティン・タンランティーノ監督脚本の最新作『ワンスアポンアタイムインハリウウッド』(原題:Once Upon A Time In Hollywood)を家の近所のシネコンで観てきました。 内容はレオナルド・ディカプリオ扮する西部劇のTV俳優(おそ…

この世にあるのは全て自分の幻想だけ 映画『パラノイドパーク』(2007)ガス・ヴァン・サント監督作品

映画『パラノイドパーク』は2007年にガス・ヴァン・サント監督・脚本(『グッド・ウィル・ハンティング』『エレファント』)によって公開されたアメリカ・フランス映画です。カメラマンはウォン・カーウァイ監督作品でお馴染みのクリストファー・ドイルと中国…

全ての女性に贈る!?全ての女性の幻想を壊す!?映画『タリーと私の秘密の時間』

『タリーと私の秘密の時間』(原題:Tully)は2018年にシャリーズ・セロン主演、ジェイソン・ライトマン監督で公開された映画です。 内容は、2児の母親として家事と育児に追われた疲れた中年女性が、新たに3人目を妊娠して疲れ切った状態で始まります。そして…

幸せってなんだっけ!?ある種のホラー映画 『マイレージ、マイライフ』の虚構

『マイレージ、マイライフ』(原題:Up in the Air)は2009年にジョージ・クルーニー主演で公開されたジェイソン・ライトマン監督の作品。 内容はリストラ宣告代理人として主人公が、雇用主の会社の代わりに従業員に対してクビを宣告する仕事で常に飛行機で全…

『ヤング≒アダルト』セックス・アンド・ザ・シティ好きには痛すぎる内容の映画

『ヤング≒アダルト』はジェイソン・ライトマン監督、シャリーズセロン主演で2011年に公開された映画。 内容は地元の田舎から都会のミネアポリスに出て、作家兼ゴーストライターとしてそこそこ成功しているアラフォーの37歳の独女が主人公で、家族がいる学生…

『ダンス ウィズ ミー』新作ミュージカル映画でやっちまったなー矢口監督

今日は8月16日に公開されたばかりの矢口史靖監督(『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』『ハッピーフライト』)、三吉彩花主演の『ダンス ウィズ ミー』を近くのシネコンに観に行ってきました。 矢口監督の映画は今まで全て観ておりまして、今回はミ…

『マイ・プライベート・アイダホ』ガス・ヴァン・サントのポートランド三部作の最後が示す「道」

『マイ・プライベート・アイダホ』はガス・ヴァン・サント監督の三作目の映画です。処女作の『マラノーチェ』、第二作の『ドラッグストア・カウボーイ』に引き続きオレゴン州ポートランドが舞台の映画で1991年に公開されました。 映画ではナルコレプシー(居…

ガス・ヴァン・サント『ドラッグストア・カウボーイ』の終わらない無常観

前の日にガス・ヴァン・サントのデビュー作の『マラノーチェ』を観たせいで、第二作の『ドラッグ・ストア・カウボーイ』(1989)も観ることに。うろ覚えだったので今の視点で確認してみようと思ったのでまた鑑賞しました。 映画冒頭から車好きの監督はやってく…

ガス・ヴァン・サントの処女作『マラノーチェ』監督の全てがある映画

ガス・ヴァン・サント監督(『グッド・ウィル・ハンティンング』、『マイ・プライベート・アイダホ』)の映画はほとんど全て観ていて、この処女作の『マラノーチェ』(1986)だけは全く観たことがなかったのでいつも通りDVDで購入して観ることにした。 内容は、…

『アポロ11 完全版』の映画がやっていた、観に行った

今年2019年は人類初の月面着陸から50周年ということもあり、にわかにアポロ11号に注目が集まっている。そういった機運にもちろん合わせて『アポロ11 完全版』(2019)は公開された映画だ。 本作はいわゆるドキュメンタリー映画で、日本ではヒットの見込みが薄…

『ザ・ファブル』レイトショーで観に行ったら溜め息が止まらなかった映画

先日近くのシネコンで久しぶりに映画でも見ようとレイトショーで岡田准一主演の映画の『ザ・ファブル』(2019)を観に行った。 なんの予備知識もなく今見れるのはこれかと鑑賞決定。レイトショーなのでやっぱりガラガラの客席、5人いればいい方か、始まるまで…

『Tokyo Eyes』 「カッコイイ」と「カワイイ」があるならそれだけでいい

『Tokyo Eyes』は下北沢が舞台のフランス人監督による1998年に公開された日仏映画。 昔一度観てから何度も何故か思い出すのでDVDを購入してまた観ることにした(なぜか昔近所のダイエーでビデオがカゴ売りされていた)。 内容は“藪睨み”と呼ばれる愉快犯が都内…

惜しい映画モリッシーの青春前夜『イングランド・イズ・マイン』〜モリッシー、はじまりの物語〜(2018)

1980年代にイギリスのマンチェスターから出てきたバンドThe Smithsのフロントマン、モリッシーがバンドを始める前の青春を描いた映画『イングランド・イズ・マイン』(2018)を観にジャック&ベティに行ってきました。公式サイトによると監督・脚本はマンチ…

空っぽの世界を描いている映画『さよなら、退屈なレオニー』について

連日連夜テレビをつけてもネットに繋いでも、くだらないよしもと問題ばかりで辟易していて。部屋にいてもつまらないので、気晴らしに映画を観に黄金町のジャック&ベティへ。昼前に出かけたので、ちょうど1時ぐらいにやっていた映画を観ることに。その時に…

こじらせ男子讃歌 『ハイ・フィデリティ』(2000)を読んだ、観た、考えた

この前ジョン・キューザック主演の映画『クロノス・コントロール』を観たせいで、過去に『ハイ・フィデリティ』(2000)という映画が同主演で上映され、観たことを思い出してしまいました。 内容は寂れた町のレコードショップを細々と営む主人公が恋人との同棲…

B級映画 ダサい駄作 しょぼすぎて涙が出そうになる近未来SF映画 『フューチャーワールド』(2018)

『フューチャーワールド』名前のなんかあるぞ感とSFバイオレンスアクションの言葉に惹かれて、今回も視聴。 オープニングから近未来AIによって管理された社会、人間が信じたのはAIが作る世界、その世界が新しい宗教となり道具となった人類は滅亡へと向かって…

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