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『アポロ11 完全版』の映画がやっていた、観に行った

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 今年2019年は人類初の月面着陸から50周年ということもあり、にわかにアポロ11号に注目が集まっている。そういった機運にもちろん合わせて『アポロ11 完全版』(2019)は公開された映画だ。

 本作はいわゆるドキュメンタリー映画で、日本ではヒットの見込みが薄いと思われているのか宣伝があまりされておらず、うっかり見逃すところで危なかった。そして、本作が公開されていることを知ったきっかけが最近NHKで放送された番組で、50周年に合わせてフランスが製作した『Back to the Moon』(2019)を観たことがきっかけだった。

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 アポロ11号の月への離着陸に焦点を当てたドキュメンタリーで当時撮られた映像をつなぎ合わせて作られた作品で、なんとなしに夜中に起きた時に観たら目が離せなくなった。映像のあまりの生々しさとそこから伝わる臨場感が巧みな編集でスッキリとまとめられていてとても素晴らしかったからだ。

 また同時に、何故フランスが作ったの!?とアメリカ人によるアメリカ人のための人類初の偉業なのに、、、。フランスよりも映画産業が強く、あれだけSFで宇宙ものを撮っている国が何故と。人類初の有人飛行をしたガガーリンのドキュメンタリーは2013年に映画産業のないロシアでさえも作られているのに。

 やっぱり国家機密レベルとしては軍事産業と密接に繋がっているから、技術の情報を視覚的に漏らしたくなかったのかなとゲスの勘ぐりをしてしまいました。

 「そうはいってもあるだろう!イット革命後の世界だ!」と、「アポロ11 映画」で検索してみると、はいありました。

 『アポロ11 完全版』しかも、今年公開かと。公式サイトとそれに付随したサイトによると「NASAで新たに発掘された11000時間以上もの未公開の秘蔵映像と音声データを基にフィルムを8Kレベルまで引き上げたものを劇場に合わせて4Kで公開」となっていたのと、予告編を観たら新しい映像体験ができそうだとヒューマントラストシネマ有楽町へ暑い中観に行くことにした。

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 映画は冒頭から、ロケットを発射台ごとを運ぶ重機の音が強烈で低音がまさに重く振動を伝える。宇宙服の試着中の緊張感も鮮明な映像と音で自然と引き込まれる。もちろん、離発着のシーンもあり映像は特にアポロ11号とロケットを映したものが50年前のフィルムとは思えないぐらい鮮明だった。

 また乗組員の3人の心拍数がある種の異常性が強いかなりの低さなので、さらに驚きました。やっぱり超人だと。さらに、乗組員の3人よりも地球の管制塔の司令官の表情も、この人絶対戻ってくるまで寝てないよと。

 そして、月からの映像も記録のために撮っただけなのに暗闇に浮かぶ地球と荒涼として何もない月の砂漠がただただ美しかった。月から帰るためのドッキングの映像も成功するとわかっていても緊張する1mmずれただけで失敗だから、しかも人力だから余計に。

 最後に帰還してからの宇宙飛行士たちのNASAでの歓迎ぶりと戻って来てからの意外とリラックスした振る舞いも垣間見えた。しかし、その後のパレードや各国での会見などが映し出された時に、以前も見たことがある映像だが、船長であるニール・アームストロングの表情に注目していた。やはり、歓待に対する困惑と戸惑いがあったからだ。今回の映像でも強く映っていた。隣のバズ・オルドリンのアメリカ人らしい快活さとは裏腹に。

 本作の内容でこの部分だけが例外だったが、そういった宇宙飛行士やNASA及びアメリカの思惑や言動は徹底的に排除していて、あくまで記録された映像と音を使っていた(ワンシーンだけ音楽をつけていたが)。しかも、ドキュメンタリーにありがちなナレーションや関係者の後日談も一切なし。焦点はあくまで月への離発着に絞っている記録映画なので、ちょっとした最後のおまけを何の意図もなく使っただけだと思う。それでも、あの表情が映し出されているから映像は改めて恐いと思った。嘘がつけない人には脅威だ。

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 さらに、アメリカのこういった国家事業を記録する時の徹底さも恐い。片手で持てる手持ちのフィルムカメラも含めて、音と映像が現代でも十分すぎるぐらい鮮明だったことだ。第二次世界大戦の時もそうだが、鮮明な音と映像をカラーで必ずとんでもない解像度のフィルムで記録している。

 これらを10年かけて全て見て徹底的に監督自身が使いたい素材を編集して、作られた記録映画なので、安っぽい感動はなくて削ぎ落とされた映像と音の迫力で勝負する映画でした。だけど、フランスの『Back to the Moon』の方がはるかに出来がいいと思います。あちらの方がさらに完結明瞭で余計なものがなく真に迫っていたと思いますので、見比べて見ることをお勧めします。

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 ところで話は変わりますが、客層は朝一ということもあるが、朝の早い年齢層高めの先輩方ばかり、ちょうど直撃世代の方々が観に来ているのかと思ったが、今の子供や20代30代は観に来ないかなとも思った。TVによる一億総白痴化の子供がネット検索さえも困難な無知化の波がすごく、学校教育を受けているのに文盲に近いというか、、、。

 格差って金銭だけじゃなくて、知性と創造力の面でもひどくなって来てるというのが外に出た時に感じる実感。スマホの小さい画面で下ばかり見て、身近なつまらない話題ばかりに囲まれて下に落ちる阿呆たちが、スクリーンの大きい画面を見上げるなんて、ましてや自分から遠い宇宙なんて無理な注文か、、、。
 

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