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ザ・ストーン・ローゼズ のアルバム『The Stone Roses』が最高のアルバムだった

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 言わずと知れたイギリスを代表するバンド、ザ・ストーン・ローゼズ。元々はセカンドアルバムの『Second Coming』(1994)を先に買ってよく聴いていて、後からファーストアルバムの『The Stone Roses』(1989)を買ったんですけど、全然好きじゃなかった。音が薄っぺらくて、安い音にしか聴こえず、やたらギターもドラムも軽くてチャラチャラしてダサい印象でした。

 一方で2枚目の『Second Coming』はハードなファンクロック然としていて音が分厚く、全編通して弾きまくるジョン・スクワイアのギターが特に気に入ってました。一聴しただけでわかる特別なレスポールの音がいつ聴いても最高で、元々はチープトリックのリック・ニールセンが持っていた59年製のギターで、ネックも見るとザラザラしているのに「持つと手にしっくりくるとギター」と雑誌で本人が喋っていました。バンド名義で所有していたせいで96年に解散した後売られて今は手元にないそうです。

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 ところで、エアロスミスのジョー・ペリーの自伝を読んだ時に特別なギターと語っていたのが同じ59年製で元々リック・ニールセンが持っていたもの、80年にお金に困って手放した後に手に入れたスラッシュが2000年にタダで返してくれたそうです。

   ジョー・ペリーは92年にはスラッシュと「手にして弾いた時の感触がたまらない」このギターについて話したと言っているので、時系列的には別のギターのはずなんですけどあまりにも一致しすぎてるんですよね。そんなに特別なギターあるかと?

 それと、スラッシュがストーン・ローゼズのファンなのは有名で、ジョン・スクワイアが脱退した時にサポートでギターを弾こうかと打診もしているので、、、。時系列が違ってなければそれっぽいんですけど、、、。だから、気になって気になって、「誰かスラッシュに聴いてください!助けてください!」のセカチュー状態が止まらないです。

ジョー・ペリー自伝?エアロスミスと俺の人生?

ジョー・ペリー自伝?エアロスミスと俺の人生?

  • 作者: ジョー・ペリー,デヴィッド・リッツ,細川真平,森幸子,前むつみ,渡部潮美,久保田祐子,木戸敦子
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: 単行本
 

  話は戻りますが、先ほど書いた通り愛聴していたのはセカンドアルバムばかりで、ファーストはやたら名盤名盤言われるので、言われた記事やインタビューを見るとたまに聴く程度でした。ただ、いつも聴いていたセカンドアルバムの『Second Coming』にも不満がなかったわけではなくて、ボーカルのイアン・ブラウンの声が曲とマッチしていなくて、やる気なく歌っているようにしか聴こえず、そこがいつも気になってました。

   それに比べて、ファーストアルバムのイアンは声も歌い方もやる気も申し分なくて、いつもバンドサウンドの強いセカンドと入れ変わらないかなと思ってました。

   だから、ファーストとセカンドで全く別のバンドだと思って聴いてました。ファーストから聴いてセカンドを聴いた人はセカンドに馴染めず、セカンドからファーストを聴いた人もそれはそれで困惑するという変な二極化が当時も今も強いのではないかと。実際、友達でファーストが好きでセカンドも好きだという人もいませんでした。逆もまた然りです。

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  そんなファーストへの評価が一変するきっかけが90年末頃から始まったCDのリマスターブームです。元々レコード用に録音された音源をCDで売り出す時に適当なミックスで販売したものが多く、音楽をCDによって販売し始めた当初からずっとレコードより音が悪いと言われ続ける一因で、イギリスだとずっとCDプレイヤーよりレコードの方が需要が大きく、DVDプレイヤーが出た時はすぐにCDプレイヤーに数で勝った話を聴いた時は日本と全然違うので驚いて笑いました。恐るべし、イギリス人!!

 そんなこともありデジタル革命(俗に言う“イット革命”です:英語のできる森喜朗談)と売り上げの落ち込みを恐れたレコード会社が90年末から一斉にCDのデジタルリマスター化を始め、ショップにデジタルリマスターで再販されたCDが並び始めたのも記憶に新しいです。

 そして、実際同じCDでも全然音圧が違い、全く印象も変わるので、今までレコード会社何してたんだよとリスナーとしても怒りを感じたくらいです。それからは気に入ったものを買い直してより好きになる行為をとっている内に、ふと感じたのが、なんか今まですごいとか言われてるけど大したことないと思ったものを買い直したらどうなるんだろうと疑問を感じました。

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 まずは手始めに暴力的なフィードバックノイズで音楽史を変えたと言われているのに全く感じなかったThe Jesus & Mary Chainの『Psychocandy』のCDを買い直しました。

かけた瞬間から「うるさい!!近所迷惑だから切りなさい!!」とお母さんに怒鳴られそうです。これはこれで全然違う音だったので感動しました。
 そこから色々買い直しをして聴き直す行為を気に入らなかったものを中心に始め(レコード会社のいいカモやないか!そうです!?ワタスが変なカモです!)、そう言えば2009年にイアン・ブラウンとプロデューサーのジョン・レッキーでリマスターしたCDあるよなと、、、。これはと思って購入して驚きました。全然薄っぺらくないし、音も安くないし、全然ダサくない。「ごめんなさい悪いのはレコード会社です」の幻聴までも聴こえてきそうです。

The Stone Roses (20th Anniversary Legacy Edition)

The Stone Roses (20th Anniversary Legacy Edition)

  • アーティスト: ザ・ストーン・ローゼズ
  • 出版社/メーカー: Sony Music UK
  • 発売日: 2009/08/10
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

    冒頭の「I Wanna Be Adored」から最後の「I Am The Reserrection」まで「完璧なアルバムじゃないか、騙された〜」です。アルバム全編に深くリバーブがかかっていながらもしっかりと芯のあるギターの音と派手なドラムのシンバルの音も耳障りにならずに空間を埋め、メロディアスでグルーブのあるベースラインに加えて、悪い音の時から好きだったボーカルの声が牧歌的なメロディに溶け合って最高の音になってる、、、。

  ここからは完全にファンです。今日も聴きながら書いてます。完全にセカンド派よりもファースト派です。裏切り者〜の声が友達から聴こえて来そうです。

 最後にストーン・ローゼズの本でシングルの「エレファント・ストーン」について端的に書いてある言葉を抜粋します。「黄金のメロディを奏で、“サリー・シナモン”よりも精妙なサウンドで、鮮やかなビートが響き、透明でスウィートかつきらめくギターからなる楽曲だ」と。アルバム全編通してこのファーストアルバム『The Stone Roses』はそうなっていると今では思います。

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