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本当におもしろい漫画のおすすめ『就職難!!ゾンビ取りガール』福満しげゆき

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就職難!! ゾンビ取りガール(1) (モーニングコミックス)

 『就職難!!ゾンビ取りガール』は『僕の小規模な生活』や『妻に恋する66の方法』などのエッセイ漫画の大家である福満しげゆき先生が『生活』の次に描いた本格ストーリーゾンビ漫画です。

 内容は「無害なゾンビが街を徘徊する日本。零細ゾンビ回収会社に勤める、捕獲マニアのモテない青年は、就職難からやむを得ず入社したかわいい新人バイト女子の指導役を命じられた!それは、この世の春か、失恋の始まりか!?」(以上1巻の帯より)と書いてあり、一見するとゾンビ取りにかこつけた両思いすれ違いイチャイチャラブコメ漫画のように思えて敬遠する人がいるかもしれません。

 この漫画にもそういった要素がないとは言い切れませんが、通常のそういった漫画のようにいつの間にか主人公たちの本業の生活を描くのを疎かにして、ただイチャイチャすることに終始するだけのよくあるラブコメ漫画にはなっていませんので、それが苦手な人でも十分読み応えのあるゾンビ漫画になっていると思います。

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 しかしながら、実際の本編はどういった内容かと言いますと、

 ゾンビ回収業が役所の委託で行われていて、ほのぼのとしたどこにでもありそうな中小企業が職場です。ハゲ眼鏡の“社長”、やさぐれたヤンキー事務姉さんの“同僚”、役所の“イケメン”、新人バイト女子の“後輩”、オタクでモテない主人公の“先輩”が中心で、街を徘徊するゾンビを捕まえるよりは腐って動かないゾンビを回収する仕事がメインの業務です。

 だからと言ってゾンビとのバトルシーンがないわけではなく、段々と回が進むごとにゾンビ取りの技術が上がりそれと共にゾンビも強力になっていくRPG的要素もあります。そして、好感のもてる小規模的主人公が段々と人間的に成長していく物語でもあるので広く共感を得やすいはずです。

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 また、福満しげゆき先生ワールドらしく作者自身の等身大からの発想満載

 つまり、どこにでもある日本の中都市が舞台だったり、工業高校で教わった作業服の着方だったり、自身の身近にいる人をモデルにした小規模的人物のキャラクターたちを含め、過去の自身の経験がふんだんに生かされて書き込んであります。先生の一連のエッセイ漫画を読んでいたらなお面白いことは間違いないです。

 並んで、ゾンビも先生のタッチで描いてあるので、気持ち悪く感じて不快になるような要素が少なく、狙い通りの老人的ゾンビ感を感じることができるので、読んでいてかえって心地いいくらいです。

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 また漫画と並んで、福満先生のあとがきはいつも読み応えがあります。

 いつも漫画を読み終わる前に読みたくなる気持ちをグッと抑えて、最後に読むぐらい楽しみでたまりません。

 今回は1巻がゾンビの歴史を福満先生の視点で振り返りながら、漫画の中の裏設定をもっと楽しめるように親切に書いてくれています。もちろん、ご自身がこの漫画を描いた経緯の裏設定も『アイなんとか』って漫画に絡めた編集者とのやりとりも書いてあるので、そこもエッセイ漫画の大家ならでは非常に面白いです。

 さらに、2巻のあとがきでも漫画の裏設定を説明しながら、週刊連載の辛さや読者への苦言というか励ましのような言葉を挟んであります。「元々の設定が動かなくなった老人ゾンビを回収する仕事」で、「そんな漫画売れますか?」って、「今読んでいるあなたの町で読んでいるのはあなた一人だけ」のような内容で、謙遜と自虐が入り混じったような心の声があとがきに書いてあるのも、やっぱりいつも通り面白くて読んでニヤニヤしてしまいます。

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 最後に、パッと見た絵柄で敬遠せずに、読んだら面白くてハマる漫画だと思います。

 読み終わったらすぐ売られるような大味で淡白な他の漫画とは違います。だから、福満しげゆき先生の漫画って近くの某「なんとかオフ」で見かけたことがないです。つまり、面白いからみんな手放していないということのはずです。

就職難!! ゾンビ取りガール

就職難!! ゾンビ取りガール

  • 作者: 福満しげゆき
  • メディア: Kindle版
 

  ところで、こうやってあまり世間一般にたまたま偶然知られていないおもしろい漫画『就職難!!ゾンビ取りガール』の設定や内容を丸々パクって、全部自分で考えましたってTVドラマで発表されていた話があったって知ってました?最近多くないですか!?オリンピックのロゴといい、銭湯の絵柄といい、例の大ヒットした映画といい、バレなきゃいいや的な見切り発車が、、、。これは強い側がやったらただの搾取です、暴力です。弱い側が強い側をパクれば周知されているだけにパロディにはなりますけど、本当は徹底的に叩かなければいけないバレなきゃいいや的パクリを、金が入ればいいや的にやってしまうと。拝金主義なのをそうじゃないと、正義ヅラして忖度ばかりしてそういういじめを指摘しないでいる新聞やTVってなんなんだと。それなのにそれを自分たち主導で何度も繰り返しているという。唯一の逆転は現代のベートーベン騒動ぐらいです。それでもあれが、強力な事務所にいたらきっともみ消されているはずです。これじゃあ、新聞もTVも誰も見なくなるのも当たり前だと、操作されるなら見ないとなるのも当たり前です。以上福満先生のあとがきに影響されて、そんなことまで先生風に書いてしまいました。だから、こんな一般人の私でももろ影響を受けるぐらいなので、本当に一度は読んで見ることをおすすめします。

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